国税庁は、令和8年度「酒類業振興支援事業費補助金」の第3期・第4期・第5期公募を実施しています。
この補助金は、日本産酒類の海外展開、インバウンド需要の開拓、新商品の開発、販売方法の多様化、AI・ICTを活用した製造・流通の効率化など、酒類事業者による意欲的な取組を支援する制度です。
海外展開支援枠では1件当たり最大1,000万円、一定のグループ申請では最大1,500万円、新市場開拓支援枠では最大500万円の補助を受けられる可能性があります。
第4期の申請期限:令和8年9月9日(水)12時まで
第5期の申請期限:令和8年10月7日(水)12時まで
酒類業振興支援事業費補助金とは
酒類業振興支援事業費補助金は、酒類事業者による日本産酒類のブランディングや海外販路の開拓、インバウンドによる海外需要の開拓、国内外における新市場開拓などを支援するものです。
これらの取組を通じて、日本産酒類の輸出拡大、酒類業の経営改革・構造転換及び酒類業の健全な発達を図ることが目的とされています。
補助対象者
補助対象となるのは、日本国内に所在し、主に次の要件を満たす事業者又はグループです。
- 酒税法に基づく酒類の製造免許を受けている事業者
- 酒税法に基づく酒類の販売業免許を受けている事業者
- 酒類の製造免許又は販売業免許を受けた事業者で構成される酒類業組合等
- 酒類事業者を少なくとも1者以上含むグループ
また、国税の未納がある場合や、過去の国・地方公共団体の補助金に関して不正行為による交付決定の取消しを受けている場合などは、補助対象とならないことがあります。
2つの申請枠
海外展開支援枠
海外展開支援枠では、主に次の取組が支援されます。
- 日本産酒類の海外販路拡大
- 海外ニーズを踏まえた新商品開発
- 日本産酒類の商品・ブランドの高付加価値化
- 海外市場における認知度向上のための情報発信
- 酒蔵、ワイナリー、ブルワリー等を活用した酒蔵ツーリズム
- インバウンド客向けの酒造り体験や受入環境の整備
- 酒米産地との連携を生かした海外展開又はインバウンド向けの取組
- 複数の酒類事業者が連携して行う海外展開の取組
新市場開拓支援枠
新市場開拓支援枠では、主に次の取組が支援されます。
- 商品の差別化による新たなニーズの獲得
- 新たな原材料や地域産品を活用した酒類商品の開発
- 食品とのペアリングに特化した商品の開発
- 二次元コードや商品ストーリーを活用した販売促進
- テイスティングなどの顧客体験を重視した販売方法の導入
- 顧客データの分析を活用した新たな販売方法の導入
- AI技術等を活用した品質管理システムの導入
- RFIDやAIカメラ等を活用した流通管理システムの導入
- 酒米の安定確保や地元農家との連携強化
補助率・補助上限額
| 申請枠 | 補助率 | 補助上限額 | 補助下限額 |
|---|---|---|---|
| 海外展開支援枠 | 補助対象経費の2分の1 |
原則1,000万円 グループ申請の場合は最大1,500万円 |
50万円 |
| 新市場開拓支援枠 |
小規模酒類事業者:3分の2 その他の事業者:2分の1 |
500万円 | 50万円 |
※小規模酒類事業者とは、原則として常勤従業員数が20人以下の法人又は個人をいいます。卸売業・小売業については、常勤従業員数が5人以下の事業者が対象です。
海外展開支援枠のグループ申請
| 連携する酒類事業者数 | 補助上限額 |
|---|---|
| 3者 | 1,200万円 |
| 4者 | 1,300万円 |
| 5者 | 1,400万円 |
| 6者以上 | 1,500万円 |
新市場開拓支援枠の事業計画要件
新市場開拓支援枠では、単に設備を購入するだけでなく、3年から5年の事業計画を策定する必要があります。
- 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる計画を策定すること
- 売上額又は付加価値額を年率平均3%以上増加させる計画を策定すること
事業計画終了時点において、給与支給総額の年率平均1.5%以上の増加目標を達成できなかった場合、導入した設備等に対応する補助金の一部について返還を求められることがあります。
補助対象経費
補助対象経費として、次の経費区分が定められています。
| 番号 | 経費区分 |
|---|---|
| 1 | 設備等費 |
| 2 | 謝金 |
| 3 | 旅費 |
| 4 | 借損料 |
| 5 | 通訳・翻訳費 |
| 6 | 会議費 |
| 7 | 広報費 |
| 8 | 委託費 |
| 9 | 外注費 |
| 10 | マーケティング調査費 |
| 11 | 産業財産権等取得等費 |
| 12 | 展示会等出展費 |
| 13 | 雑役務費 |
| 14 | 原材料等費 |
| 15 | 設計・デザイン費 |
| 16 | 出演料 |
| 17 | 運営費 |
補助対象経費は、交付決定日以降に発注し、令和9年2月28日までに支払いを完了したものに限られます。
優先採択の対象となる取組
令和8年度の公募では、次の影響への対応として関連性が認められる取組が、優先採択の対象とされています。
- 酒米の価格高騰等による影響への対応
- 米国の関税措置による影響への対応
酒米価格の高騰や米国関税措置の影響を受けている場合、影響の内容と補助事業による対応策との関係を、補助事業計画書の中で具体的に説明することが重要です。
公募期間
| 募集期 | 公募期間 | 採択予定 | 事業開始予定 |
|---|---|---|---|
| 第3期 |
令和8年7月27日(月)から 令和8年8月17日(月)12時まで |
令和8年9月下旬 | 令和8年10月上旬 |
| 第4期 |
令和8年7月27日(月)から 令和8年9月9日(水)12時まで |
令和8年10月中旬 | 令和8年10月下旬 |
| 第5期 |
令和8年8月18日(火)から 令和8年10月7日(水)12時まで |
令和8年11月中旬 | 令和8年11月下旬 |
補助事業期間は、交付決定日から令和9年2月28日(日)までです。同日までに補助事業を完了し、補助対象経費の支払いも完了する必要があります。
申請方法
申請は、電子申請システム「Jグランツ」から行います。郵送や窓口への持参による申請ではありません。
- 申請方法:Jグランツによる電子申請
- 必要なアカウント:GビズID
- 申請先:主たる事業実施場所を所轄する国税局
申請時の主な注意点
設備の導入だけで終わる事業は評価が劣後します
補助対象経費の全てが設備投資であり、補助事業期間中に設備を導入するだけで事業が終了する場合は、審査上の評価が劣後します。
設備を活用した新商品開発、マーケティング調査、システムのテスト運用、改善点の把握など、設備導入以外の具体的な取組も事業計画に盛り込むことが重要です。
通常の営業活動に使用する設備は注意が必要です
購入する設備は、補助事業を実施するために必要なものでなければなりません。補助事業期間中は、原則として補助事業の目的のために使用する必要があります。
テスト販売以外の販売活動は注意が必要です
補助事業期間中に、テスト販売を除いて成果物を販売したり、販売につながる営業活動を行ったりする事業は、審査上の評価が劣後します。
申請書作成費用は補助対象外です
公募申請書、補助事業計画書、交付申請書等の作成支援を専門家に依頼した場合、その専門家報酬は本補助金の補助対象経費にはなりません。
行政書士による申請支援
酒類業振興支援事業費補助金では、申請する取組の具体性、市場ニーズ、事業の実現可能性、補助対象経費の必要性、事業効果などを事業計画書の中で説明する必要があります。
特に新市場開拓支援枠では、給与支給総額、売上額又は付加価値額の増加計画を作成する必要があるため、現在の経営状況や今後の事業展開を踏まえた数値計画が重要になります。
ミセイ行政書士事務所では、大分県内の酒類製造事業者、酒類販売事業者、酒蔵、ワイナリー、ブルワリー等の皆様からの補助金申請に関するご相談を承っております。
酒類業振興支援事業費補助金の申請を検討されている方は、お早めにご相談ください。
固定電話:
097-585-5222
携帯電話:
090-6427-5616
大分県大分市の行政書士事務所です。大分県内を中心に、補助金申請に関するご相談に対応しています。
公式情報
申請を検討される場合は、必ず国税庁が公開している最新の公募要領、申請様式、Q&A及び電子申請マニュアルをご確認ください。
※本記事は、令和8年7月時点で公表されている資料を基に作成しています。公募内容が変更・追加される場合がありますので、実際に申請する際は必ず公式情報をご確認ください。

