東京都が実施する「令和8年度 スタートアップ等を活用した農林水産分野の課題解決事業(農林水産課題解決スタートアップ補助金)」の公募が行われています。
東京都の補助事業ですが、一定の要件を満たせば、大分県をはじめ東京都外のスタートアップ・中小企業・個人事業者も申請対象となり得ます。
本事業は、東京都が提示する農林水産分野の課題について、スタートアップや中小企業等が持つ新しい発想や技術を活用し、製品・技術の開発・改良・実用化を目指すものです。
補助率は2/3以内、補助上限額は6,666万円/年と非常に大きく、農業・林業・水産業に関係する新技術、AI、IoT、ロボット、ドローン、省力化技術などを開発している企業にとって注目すべき制度です。
【重要】申請受付期間
令和8年7月14日(火)~令和8年8月20日(木)
申請は「Jグランツ」で行います。Jグランツの利用にはGビズIDプライムが必要です。
農林水産課題解決スタートアップ補助金とは
本事業は、従来にはない発想力や革新的な技術力を持つスタートアップや中小企業等に対し、東京の農林水産分野の課題解決に役立つ製品・技術の開発・改良に必要な経費の一部を補助する制度です。
単に補助金を交付するだけではなく、採択された事業者に対して、運営事務局によるメンタリング、実証実験の場の提供、実装・普及に向けたハンズオン支援なども予定されています。
開発した製品・サービスについては、最終的に市場で販売できる状態まで実用化することが想定されています。
大分県の企業も申請できます
この補助金で特に注目したいのが、東京都が実施する補助金でありながら、申請者が東京都内の企業に限定されていないという点です。
法人の場合、基準日である令和8年7月1日現在、日本国内に登記簿上の本店または支店があることなどが要件とされています。
また、個人事業者についても、国内所在地が確認でき、国内で事業を行っているなどの要件を満たせば対象となり得ます。
さらに、補助事業の実施場所についても「原則として国内」とされています。
そのため、大分県内に本店や事業所を置くスタートアップ、中小企業、個人事業者についても、その他の申請要件を満たせば申請を検討できます。
東京都の補助金だからといって、「東京都内の企業しか申請できない」という制度ではありません。
大分県内の企業にとっても、事業内容によっては非常に大きなチャンスとなる可能性があります。
ただし「東京の農林水産業の課題解決」が必要です
大分県の企業も申請対象となり得ますが、注意しなければならない点があります。
本事業の目的は、あくまで「東京の農林水産分野の課題解決」です。
そのため、大分県内だけの農林水産業の課題を解決する事業であれば、本事業の趣旨に合致しません。
東京都が提示する農林水産分野の課題について、自社が持つ技術や製品を開発・改良することで解決を目指す必要があります。
例えば、大分県内の企業が持つAI、IoT、ロボット、ドローン、センシング等の技術を活用して、東京都内の農業・林業・水産業の省力化や生産性向上などを目指す事業であれば、申請を検討できる可能性があります。
対象となる主な課題
募集要項では、「東京の農林水産分野の課題」として複数の課題が提示されています。
例えば、次のような分野が対象となっています。
- 肉体的負担の軽減
- 東京農業における生産性向上
- 飼育状況の管理
- 山間部における作業の省力化
- 水産物の鮮度維持
- 病害虫対策
- 廃棄物処理の負担軽減
- 鳥獣害対策
- 漁業・水産分野における課題解決
公募説明会では、農作業ロボット、飼育状況を管理するシステム、林業用機械、農林業用ドローン、水産物の鮮度を維持するシステムなどが、補助対象となり得る事例として紹介されています。
主な補助対象者
主な補助対象者は次のとおりです。
| 区分 | 概要 |
|---|---|
| スタートアップ | おおむね創業後10年未満または第二創業後10年未満で、革新的な技術・ビジネスモデル等により急速な成長を志向する法人等 |
| 中小企業者 | 一定の資本金・従業員数等の要件を満たす会社・個人事業者 |
| 中小企業グループ | 要件を満たす複数のスタートアップ・中小企業者等による共同申請 |
なお、法人形態や資本金、従業員数、大企業との資本関係などについて詳細な要件がありますので、実際の申請にあたっては募集要項を個別に確認する必要があります。
補助率・補助上限額
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 補助対象経費の2/3以内 |
| 補助対象経費上限 | 1億円/年 |
| 補助上限額 | 6,666万円/年 |
| 事業実施期間 | 令和8年度の交付決定日から令和10年3月31日まで(最長) |
補助上限額が6,666万円/年と非常に大きいことから、本格的な研究開発・製品開発・実用化を計画している企業に適した制度といえます。
補助対象経費
開発・改良・実用化に必要となる、次のような経費が補助対象として定められています。
- 原材料・副資材費
- 機械装置・工具器具費
- 委託費
- 産業財産権出願・導入費
- 直接人件費
- 旅費交通費
- 展示会出展費
特に、機械装置だけではなく、開発に係る直接人件費や産業財産権出願・導入費なども対象経費として設定されている点は、本格的な技術開発を行う企業にとって重要なポイントです。
一方で、単なる設備投資や既製品の導入、開発・改良の大部分を外注する事業、すでに量産化・事業化されている技術などは対象外となる場合があります。
「技術的な開発要素」が重要です
本補助金では、単に新しい機械やシステムを購入するだけではなく、技術的な開発要素が求められます。
また、申請時には具体的な「達成目標」を設定し、補助事業の終了時には、その達成目標を満たした成果物が完成していることが必要です。
そのため、申請にあたっては、
- 東京都が提示するどの課題を解決するのか
- 現在、その課題にどのような問題があるのか
- 自社の技術をどのように活用するのか
- どの部分を新たに開発・改良するのか
- どのような実証を行うのか
- 何をもって「課題を解決した」と判断するのか
- 開発後、どのように実用化・販売・普及させるのか
といった内容を具体的に整理することが重要になります。
申請期間・今後のスケジュール
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 令和8年7月14日~8月20日 | 申請受付 |
| 令和8年8月下旬 | 一次審査(書類) |
| 令和8年9月上旬 | 二次審査(プレゼンテーション) |
| 令和8年9月中旬 | 総合審査会 |
| 令和8年9月下旬 | 交付決定予定 |
申請はJグランツから行います。
Jグランツを利用するためにはGビズIDプライムが必要です。まだ取得していない事業者は、申請期限までの期間が短いため、早めの対応が必要です。
申請を検討する際の注意点
本補助金は補助上限額が非常に大きい一方、申請内容についても相応の準備が必要です。
特に、単なる設備購入ではなく、東京都が提示する農林水産分野の課題と、自社が開発する技術・製品との関係を明確にした事業計画を作成することが重要です。
また、同一テーマ・内容について、国・東京都・道府県・区市町村等から重複して補助を受けることはできません。
さらに、補助対象経費については、原則として補助対象期間内に発注または契約、取得・実施、支払いまで完了する必要があります。
補助金申請のご相談について
ミセイ行政書士事務所では、大分県内の事業者様を中心に、各種補助金の申請支援を行っております。
今回の「農林水産課題解決スタートアップ補助金」は、東京都の補助事業ではありますが、大分県内の企業・個人事業者でも要件を満たせば申請対象となる可能性があります。
特に、農林水産分野に関連するAI・IoT・ロボット・ドローン・省力化技術・新製品等の開発を行っている事業者様で、本補助金を活用できるか分からない場合は、お気軽にご相談ください。
事業内容を確認したうえで、申請要件への該当可能性や、補助対象となり得る事業内容について検討いたします。
公式ページ
制度の詳細、最新情報、申請様式等については、必ず公式ページをご確認ください。
令和8年度 スタートアップ等を活用した農林水産分野の課題解決事業 公式ページ
目次
- 農林水産課題解決スタートアップ補助金とは
- 大分県の企業も申請できます
- ただし「東京の農林水産業の課題解決」が必要です
- 対象となる主な課題
- 主な補助対象者
- 補助率・補助上限額
- 補助対象経費
- 「技術的な開発要素」が重要です
- 申請期間・今後のスケジュール
- 申請を検討する際の注意点
- 補助金申請のご相談について
- 公式ページ
※本記事は、令和8年度「スタートアップ等を活用した農林水産分野の課題解決事業」の募集要項等に基づいて作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申請にあたっては最新の募集要項・公式情報をご確認ください。

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