農林水産省では、「令和8年度インバウンド起点による日本産食品の輸出拡大緊急支援モデル事業」第5次公募を実施しています。
本事業は、訪日外国人(インバウンド)に人気があるものの、まだ十分に海外輸出につながっていない日本産食品について、海外の規制や食文化等に対応するための商品改良などを支援し、輸出拡大につなげることを目的とした補助事業です。
たとえば、国内向け商品のパッケージを海外向けにも使用できるよう変更したり、輸出先国の規制に合わせて成分・添加物を変更したり、ハラール・ヴィーガン・HACCP等に対応したりする取組などが対象となります。
大分県内で食品の製造・加工等を行っており、「外国人観光客に人気の商品を海外でも販売したい」「国内向け商品を輸出可能な商品へ転換したい」とお考えの事業者にとって、活用を検討する価値のある補助金です。
1.補助金の概要
| 事業名 | 令和8年度インバウンド起点による日本産食品の輸出拡大緊急支援モデル事業(第5次公募) |
|---|---|
| 実施機関 | 農林水産省 |
| 公募期間 | 令和8年8月17日~令和8年8月28日 |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 補助金額 | 100万円以上(補助金額の下限) |
| 予算額 | 17,202千円 |
| 事業実施期間 | 交付決定の日から令和9年3月31日まで |
公募期間が短いため、申請を検討される場合には、早めに事業内容や必要経費を整理しておくことが重要です。
2.どのような補助金なのか
近年、訪日外国人旅行者の増加によって、日本国内で販売されている食品が外国人から注目される機会が増えています。
しかし、日本国内で販売できる商品であっても、輸出先国の食品表示、添加物、成分、認証、食文化等の違いによって、そのまま海外へ輸出できるとは限りません。
そこで本事業では、インバウンド需要の高い日本産食品を海外の規制等に適合させ、国内外双方で流通可能な商品へ転換するためのモデル的な取組を支援します。
3.対象となる事業者
本事業には、一定の要件を満たす次のような法人・団体等が応募できます。
- 民間企業
- 一般財団法人・一般社団法人
- 公益財団法人・公益社団法人
- 協同組合・企業組合
- 特定非営利活動法人(NPO法人)
- 国立大学法人・公立大学法人
- 学校法人
- 独立行政法人
- 一定の要件を満たす事業化共同体(コンソーシアム)
また、本事業を実施する具体的な計画や実施能力を有していること、適切な経理・管理体制を有していること、日本国内に所在していることなどの要件があります。
大分県内の事業者についても、要件を満たせば申請対象となり得ます。
4.対象となる主な取組
本事業では、主に次の5つの取組が支援対象とされています。
| 取組 | 内容 |
|---|---|
| 商品の表示・パッケージの変更 | 国内向け商品と海外向け商品の表示・パッケージの統一など |
| 商品の成分の変更 | 輸出可能な商品とするために必要な成分・添加物等の変更 |
| 輸出先国の食文化・規制等への対応 | ハラール、ヴィーガン、HACCP等への対応に必要な成分変更、認証の取得・更新など |
| その他の活動 | 国内向け商品を輸出可能な商品にするために必要なその他の取組 |
| 効果検証 | 取組の効果を検証するための国内外でのテストマーケティング等 |
5.補助対象経費
本事業では、事業に直接必要であり、対象経費として明確に区分でき、証拠書類によって金額を確認できる経費が補助対象となります。
主な対象経費として、次のようなものがあります。
- 旅費
- 謝金
- 賃金
- 人件費
- 使用料・賃借料
- 委託費
- 需用費
- 役務費 など
具体的には、パッケージの国内外統一に必要となる翻訳費・デザイン費や、添加物等の変更に伴う成分検査費・代替添加物の調査費などが想定されています。
6.対象外となる主な経費
一方、事業に必要であっても、次のような経費は原則として補助対象となりません。
- 建物等の建設、不動産取得に関する経費
- 設備(機械・装置)等の購入・開発に要する経費
- 1件(個)当たり5万円以上の物品取得費
- パソコンやデジタルカメラなど、事業終了後も利用可能な汎用性の高い物品の取得費
- 原則として補助金の交付決定前に発生した経費
- 本事業に必要であることを証明できない経費
設備投資を中心とする補助金ではないため、「何を購入するか」ではなく、「商品を輸出できる状態にするために、どのような課題を解決するか」という視点が重要になります。
7.補助率・補助金額
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 1/2以内 |
| 補助金額の下限 | 100万円 |
| 予算額 | 17,202千円 |
補助金額の下限が100万円となっているため、一定規模以上の事業計画を想定した制度といえます。
8.採択に向けて重要となるポイント
本事業では、単に「海外で販売したい」というだけではなく、具体的な課題と解決方法、成果目標などを事業計画として整理することが重要です。
必須要件として、主に次のような点が求められています。
- 課題やスケジュール等が明確に設定された適切な事業計画であること
- 自己負担分について適正な資金調達が可能であること
- 成果目標が明記され、適切な効果検証が見込まれること
- 輸出を計画している国・地域へ輸出可能な品目に関する取組であること
- 他の企業・品目にも応用可能で、食品産業全体への波及効果が高いこと
そのため、申請書を作成する際には、「現在どのような商品を販売しているのか」「なぜ現状では輸出が難しいのか」「今回の事業で何を改善するのか」「改善によってどのような輸出効果が期待できるのか」を一貫した内容で整理することが重要です。
9.加点対象となる取組
公募要領・実施要領では、一定の取組について審査上の加点があります。
特に注目したいのが、輸出可能な商品へ転換する商品について、インバウンドによる購入割合が高い、またはインバウンドから支持されている場合です。
さらに、農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略に定める重点品目のうち、次の商品が含まれている場合も加点対象となります。
- 清涼飲料水
- 菓子
- ソース混合調味料
- 味噌・醤油
大分県内でこれらの商品を製造・販売している事業者で、外国人観光客から一定の支持を得ている場合には、特に確認しておきたい制度です。
10.申請に必要となる主な書類
申請にあたっては、主に次のような書類を作成・提出します。
- 事業に係る課題提案書
- 応募者に関する事項
- 取組内容に関する事項
- 経費内訳書
- 応募者の概要が分かる資料
- 営業経歴(沿革)
- 直前3か年分の決算(事業)報告書等
申請書類は、単なる会社情報の記入だけではなく、事業の目的、課題、取組内容、経費、成果目標などを整理して作成する必要があります。
11.大分県内の食品事業者も活用を検討できます
本事業は全国を対象とした農林水産省の補助事業ですので、大分県内の事業者も要件を満たせば応募できます。
たとえば、次のような事業者は制度の活用を検討する余地があります。
- 外国人観光客によく購入される菓子を製造している
- 味噌・醤油・調味料などを海外へ輸出したい
- 国内で人気の商品を海外規制に対応させたい
- 商品の表示を多言語化し、国内外で同じパッケージを使用したい
- ハラールやヴィーガン等に対応した商品を開発したい
- 海外でテストマーケティングを行いたい
「自社の商品が対象になるのか分からない」という段階でも、まずは公募要件と現在の商品・事業内容を照らし合わせて確認することが重要です。
12.申請期限に注意してください
第5次公募の公募期間は、令和8年8月17日から令和8年8月28日までです。
申請書類には事業内容や経費内訳等を記載する必要があるため、申請を検討している事業者は、できるだけ早めに準備を進めることをおすすめします。
13.補助金申請のご相談について
ミセイ行政書士事務所では、大分県内の事業者を中心に、補助金申請に関するご相談を承っております。
本補助金では、現在の商品やインバウンド需要、輸出を希望する国・地域、輸出にあたっての課題、具体的な取組内容、必要経費、成果目標などを整理したうえで、申請書類を作成することが重要です。
「自社の商品が対象になるのか確認したい」「どのような事業計画にすればよいか分からない」「申請書類の作成について相談したい」といった場合は、お気軽にお問い合わせください。
14.農林水産省の公式ページ
制度の詳細、公募要領、申請様式等については、農林水産省の公式ページをご確認ください。
令和8年度インバウンド起点による日本産食品の輸出拡大緊急支援モデル事業(第5次公募)|農林水産省
目次
※本記事は令和8年8月時点の公募資料をもとに作成しています。制度内容・申請要件等の詳細については、必ず農林水産省の最新の公募要領等をご確認ください。

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