令和8年度 大分県介護テクノロジー導入支援事業
大分県では、介護現場のDX化による生産性向上を支援するため、介護ロボット、介護ソフト、見守りセンサー、インカムなどの介護テクノロジーを導入する介護サービス事業者等に対し、導入経費の一部を補助します。
介護現場では、人材不足への対応、介護職員の身体的・精神的負担の軽減、記録業務や情報共有の効率化などが大きな課題となっています。
「介護テクノロジー導入支援事業」は、介護ロボットやICT機器等を導入し、介護サービスの質の確保と職員の負担軽減、生産性向上に取り組む介護サービス事業者等を支援する制度です。
補助率は原則として5分の4であり、導入する機器やシステムの内容によっては、1事業所当たり最大1,000万円の補助上限額が設定されています。
【重要】
補助金の申請前に、大分県介護DXサポートセンターへ「改善活動の計画書」を提出する必要があります。改善活動の計画書の提出期限は、令和8年7月31日とされています。補助金の受付期間とは期限が異なるため、早めの準備が必要です。
補助金の概要
| 事業名 | 令和8年度大分県介護テクノロジー導入支援事業 |
|---|---|
| 実施主体 | 大分県 |
| 目的 | 介護現場への介護ロボット・ICT等の導入を支援し、介護従事者の負担軽減、業務効率化及び介護現場の生産性向上を図ること |
| 補助率 | 補助対象経費の5分の4 |
| 受付期間 | 令和8年7月中旬から令和8年8月31日まで |
| 改善活動の計画書提出期限 | 令和8年7月31日まで |
| 事業実施期限 | 令和9年3月31日まで |
| 申請方法 | 電子申請システムによる提出予定 |
申請件数が多い場合は、提出された事業内容等を基準として優先採択が行われます。また、予算がなくなり次第、受付が終了する場合があります。
補助対象となる事業所
本事業の補助対象となるのは、原則として大分県内に所在する次の事業所です。
- 介護保険法に基づく介護サービス事業所
- 老人福祉法に基づく養護老人ホーム
- 老人福祉法に基づく軽費老人ホーム
事業所の種類、提供する介護サービス、導入する機器の内容等によって、適用される補助要件が異なる場合があります。
補助対象となる介護テクノロジー
主な補助対象は、公益財団法人テクノエイド協会が提供する「福祉用具情報システム(TAIS)」において、「介護テクノロジー」として選定された機器等です。
また、TAISに掲載されていない場合であっても、掲載機器と同水準の機能を有すると大分県知事が判断した機器等については、補助対象となる可能性があります。
導入例
- 介護記録、請求、情報共有等に使用する介護ソフト
- 人事、勤怠、給与計算等に使用するバックオフィスソフト
- 見守りセンサー
- 移乗支援機器
- 入浴支援機器
- 介護職員間の連絡に使用するインカム
- タブレット端末やスマートフォン等の情報端末
- Wi-Fi環境等の通信設備
- 介護ソフト等と連携する周辺機器
機器を単独で導入する場合だけでなく、介護ソフト、見守りセンサー、Wi-Fi環境等を組み合わせて導入し、相互に連携させる取組も想定されています。
補助率・補助上限額
補助率は、補助対象経費の5分の4です。補助上限額は、導入する機器やシステムの区分により異なります。
| 導入する機器等 | 補助上限額 |
|---|---|
| 介護ソフト等又はバックオフィスソフト | 1事業所当たり100万円から250万円 |
| TAISの「移乗支援」「入浴支援」に掲載された機器及び「介護業務支援」に掲載されたインカム等 | 1台当たり100万円 |
| TAISで介護テクノロジーとして選定された機器等のうち、上記以外のもの | 1台当たり30万円 |
| 介護業務支援に分類されるテクノロジー等と、連動により効果が高まる機器を組み合わせて導入する場合 | 1事業所当たり1,000万円 |
介護ソフトのライセンス料がアカウント数によって変動する場合は、補助対象事業所の職員数に応じて補助上限額が変動します。
また、介護ソフトを導入し、介護ソフトの定着促進支援を活用する場合には、所定の補助上限額に15万円が上乗せされます。
法人単位の上限額
| 区分 | 1法人当たりの上限額 |
|---|---|
| 介護ソフト、移乗支援・入浴支援機器、インカム、その他の介護テクノロジー | 合計800万円 |
| 複数の機器等を連携させて導入する取組 | 1,600万円 |
主な補助要件
補助を受けるためには、次の要件をすべて満たす必要があります。
- 令和8年度第1回大分県福祉・介護生産性向上セミナー、又は厚生労働省が指定する対象セミナーを受講すること
- 大分県介護DXサポートセンターへ「改善活動の計画書」を提出すること
- 国及び大分県に対して、導入前の業務改善計画書を提出すること
- 導入後3年間、業務改善の効果を報告すること
- 施設サービス事業所は、利用者の安全、介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に関する方策を検討する委員会を設置すること
- 居宅サービス事業所は、令和8年度中にケアプランデータ連携システム等の利用を開始すること
厚生労働省委託事業の「生産性向上ビギナーセミナー」と「生産性向上フォローアップセミナー」を利用する場合は、両方のセミナーを受講する必要があります。
「改善活動の計画書」の作成が必要です
本補助金では、機器の購入目的や金額だけを記載すればよいわけではありません。介護現場が抱えている課題を整理し、導入するテクノロジーによってどのように業務を改善するのかを具体的に計画する必要があります。
大分県が公開している「改善活動の計画書」では、主に次の内容を整理します。
- 事業所の基本情報
- 決裁者及び報告者
- プロジェクトチームの実行体制と役割
- 経営層、マネジメント層及び現場担当者を含むプロジェクトメンバー
- プロジェクトミーティングの実施方法
- 事業所として目指す姿及びプロジェクトの目的
- 現在の業務上の課題
- 課題の原因と改善のための打ち手
- 実施する取組の概要
- その取組を選定した理由
- 導入及び改善活動のスケジュール
- 担当者と役割分担
- 導入後の効果検証方法
プロジェクトメンバーには、経営層、マネジメント層及び現場担当者を含める必要があり、原則として4名以上の体制を設定する様式となっています。
例えば、移乗介助による腰痛や身体的負担が課題となっている場合は、単に「移乗支援機器を購入する」と記載するのではなく、現在の介助体制、職員の負担、事故の危険性、人員配置上の問題等を整理したうえで、導入後にどのような改善効果を見込むのかを示すことが重要です。
主な提出書類
大分県の公表内容によると、現時点で案内されている主な提出書類は次のとおりです。
| 提出書類 | 内容・注意点 |
|---|---|
| 改善活動の計画書 | 令和8年7月31日までに大分県介護DXサポートセンターへ提出 |
| 業務改善計画書 | 導入する機器、現在の課題、改善目標及び効果測定方法等を記載 |
| 見積書の写し | 原則として最低2者以上の見積書が必要 |
| カタログ等の写し | 導入する機器の機能、仕様、価格等を確認できる資料 |
| 従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表 | 介護ソフトのライセンス料が職員数やアカウント数により変動する場合に提出 |
| 優先順位表 | 一つの法人が複数の事業所について申請する場合に提出 |
交付要綱、事業実施要領及び電子申請システムについては、令和8年7月10日現在、大分県ホームページ上で準備中とされています。公開後は、正式な申請条件や必要書類を改めて確認する必要があります。
採択に向けて重視したいポイント
申請件数が多い場合は、提出内容を判断基準として優先採択が行われます。そのため、次のような点を意識して計画を作成することが重要です。
1.現在の課題を具体的に整理する
「職員が忙しい」「人手が足りない」といった抽象的な表現だけでなく、どの業務に何分かかっているのか、どの時間帯に負担が集中しているのか、どのような事故やヒヤリ・ハットの危険があるのかなどを具体的に整理します。
2.導入機器と課題との関係を明確にする
導入を希望する機器が、現在の課題をどのように解決するのかを明確にします。高機能な機器を導入するだけではなく、事業所の課題に適した機器を選定していることを説明する必要があります。
3.複数の機器を連携させる
大分県は、複数のテクノロジーを組み合わせるなど、より高い改善効果が見込まれる取組を優先的に補助するとしています。
例えば、介護ソフト、見守りセンサー及びWi-Fi環境を同時に整備し、見守りセンサーの情報が介護ソフトに連携する仕組みを構築することなどが考えられます。
4.導入後の効果を数値で測定する
記録時間、訪室回数、残業時間、移乗介助の所要時間、職員の腰痛発生率、ヒヤリ・ハット件数、職員アンケート等を活用し、導入前後の変化を測定できる計画にすることが重要です。
5.実行体制とスケジュールを明確にする
経営層だけで計画を作るのではなく、実際に機器を使用する現場職員をプロジェクトに参加させ、導入、試行運用、課題の検証、マニュアル作成、本格運用及び効果検証までのスケジュールを整理します。
契約・発注時の注意点
導入機器の発注は、原則として大分県からの交付決定後に行う必要があります。交付決定前に契約や発注を行った場合、その経費が補助対象外となる可能性があります。
また、補助金交付申請の際には、一般競争入札、指名競争入札又は2者以上の見積もり合わせなど、競争性のある契約方法を採用する必要があります。
補助金の交付決定前に、販売事業者との間で正式な売買契約を締結したり、機器を発注したりしないよう十分にご注意ください。
申請までの想定スケジュール
| 時期 | 主な取組 |
|---|---|
| 申請準備 | 現場の課題整理、プロジェクトチームの編成、導入機器の検討、セミナーの受講 |
| 令和8年7月31日まで | 大分県介護DXサポートセンターへ改善活動の計画書を提出 |
| 令和8年8月31日まで | 電子申請システムによる補助金申請 |
| 交付決定後 | 契約、発注、機器導入、職員研修、試行運用、運用方法の改善 |
| 令和9年3月31日まで | 機器導入、支払い及び補助事業を完了 |
| 導入後3年間 | 業務改善効果の測定及び国・大分県への報告 |
ミセイ行政書士事務所のサポート
本補助金では、介護現場の課題、導入する機器、改善のための取組、実行体制、効果測定方法等を一貫した計画としてまとめる必要があります。
ミセイ行政書士事務所では、介護サービス事業者の皆様から現在の業務内容や課題を丁寧にお伺いし、補助金申請に必要となる計画書及び申請書類の作成を支援いたします。
| サポート内容 | 主な内容 |
|---|---|
| 補助対象の確認 | 事業所、導入機器及び経費が補助対象となる可能性の確認 |
| ヒアリング | 現在の業務、職員の負担、業務上の課題及び導入目的の整理 |
| 改善活動の計画書作成支援 | 目指す姿、課題、改善策、プロジェクト体制及びスケジュールの整理 |
| 業務改善計画書作成支援 | 導入機器、改善目標、数値目標及び効果測定方法の作成支援 |
| 必要書類の確認 | 見積書、カタログ、勤務形態一覧表等の確認及び整理 |
| 申請手続支援 | 電子申請に必要となる申請書類の作成及び提出支援 |
| 採択後の支援 | 変更手続、実績報告及び補助事業完了後の報告に関する支援 |
「どの機器が補助対象になるのか分からない」「改善活動の計画書をどのように書けばよいか分からない」「通常業務が忙しく、申請書類を作成する時間がない」といった場合は、早めにご相談ください。
注意事項
- 改善活動の計画書と補助金申請では、提出先及び提出期限が異なります。
- 改善活動の計画書は、令和8年7月31日までに大分県介護DXサポートセンターへ提出する必要があります。
- 補助金の申請受付は、令和8年7月中旬から8月31日までの予定です。
- 申請多数の場合は優先採択が行われ、予算がなくなり次第終了する場合があります。
- 原則として、交付決定前に契約又は発注した機器は補助対象となりません。
- 見積書は、原則として2者以上から取得する必要があります。
- 導入した機器について、導入後3年間の効果報告が必要です。
- 交付要綱、事業実施要領及び電子申請システムは、令和8年7月10日現在、準備中です。
- 正式な申請に当たっては、大分県が今後公開する交付要綱、事業実施要領及び申請案内を必ずご確認ください。
公式ページはこちら
制度の最新情報、申請様式及び今後公開される交付要綱等については、大分県の公式ページをご確認ください。
目次
介護テクノロジー導入支援事業のご相談
ミセイ行政書士事務所では、大分県内の介護サービス事業者等を対象として、介護テクノロジー導入支援事業の計画書作成及び申請手続をサポートいたします。
改善活動の計画書は、補助金申請よりも早い令和8年7月31日が提出期限です。申請をご検討中の事業者様は、お早めにお問い合わせください。
※本記事は、令和8年7月10日時点で大分県が公表している情報に基づいて作成しています。今後、交付要綱、事業実施要領、電子申請システムその他の詳細が公開された場合、制度内容が変更又は追加されることがあります。

