大分市では、建築物に使用されている吹付けアスベストによる健康被害を防止するため、アスベストの分析調査や除去等工事に必要な費用の一部を補助しています。
令和8年度の「大分市アスベスト分析事業補助金」および「大分市アスベスト除去等事業補助金」では、一定の要件を満たす民間建築物について、分析調査費用は最大25万円、除去等工事費用は最大120万円の補助を受けることができます。
古い建築物を所有している方や、建物の改修・解体等を検討している方にとって、アスベスト対策に伴う経済的負担を軽減できる制度です。
この記事では、令和8年度の補助制度の概要、補助対象者、補助金額、申請期間、申請手続きの流れ、注意事項について詳しく解説します。
【令和8年度の申請期限】
令和8年12月18日(金)まで
※予算の範囲内で実施されるため、申請前に大分市住宅課へ受付状況を確認してください。
1.大分市アスベスト補助金の概要
大分市のアスベスト対策補助金には、次の2つの制度があります。
| 補助制度 | 補助内容 |
|---|---|
| アスベスト分析事業補助金 | 建築物に使用された吹付け材について、アスベスト含有の有無を調査する費用を補助 |
| アスベスト除去等事業補助金 | 吹付けアスベストの除去、封じ込め、囲い込みに必要な工事費用を補助 |
アスベストとは、石綿(いしわた・せきめん)とも呼ばれる天然の鉱物繊維の総称です。耐熱性や断熱性などに優れているため、かつて建築材料として広く使用されていました。
しかし、アスベストの繊維を吸い込むことによる健康被害が問題となっており、特に飛散性の高い吹付けアスベストについては、適切な調査と対策が重要です。
本補助金は、こうしたアスベストの飛散による健康被害を予防し、市民の安全・安心な生活環境を確保することを目的としています。
2.補助率・補助上限額
令和8年度の補助率および補助上限額は、次のとおりです。
| 補助制度 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| アスベスト分析事業 | 10分の10 | 25万円/棟 |
| アスベスト除去等事業 | 3分の2 | 120万円/棟 |
① アスベスト分析事業
分析調査に要する補助対象経費について、補助率10分の10で補助が受けられます。ただし、補助上限額は1棟当たり25万円です。
例えば、補助対象となる分析調査費用が20万円の場合、要件を満たせば20万円の補助を受けることができます。
② アスベスト除去等事業
除去等工事に要する補助対象経費の3分の2以内が補助対象となり、1棟当たり120万円が上限です。
例えば、補助対象となる除去工事費用が180万円の場合、補助率3分の2で計算すると120万円となります。
なお、実際の補助金額は補助対象経費の認定や交付要綱に基づく審査によって決定されます。
3.補助対象者
補助対象となるのは、原則として次の方です。
- 対象となる建築物の所有者
- 対象となる建築物の管理者
個人で建築物を所有している方だけでなく、法人が所有する建物についても、要件を満たせば補助対象となる可能性があります。
なお、補助金の交付には所定の要件があります。申請者の要件については、事前に大分市住宅課へ確認することをおすすめします。
4.補助対象となる建築物・工事
① アスベスト分析事業
大分市内の民間建築物で、吹付けアスベスト(レベル1)が施工されているおそれのある建築物が対象となります。
補助対象となるのは、吹付け材にアスベストが含まれているかどうかを調べる分析調査です。
建築物石綿含有建材調査者による調査が必要であり、分析については、厚生労働省が定める分析方法に対応した専門分析機関へ依頼する必要があります。
分析方法については、定性分析(JIS A 1481-1、2)が基本となります。アスベストの含有が確認された場合は、所定の変更手続きを行うことで、定量分析を追加できる場合があります。
② アスベスト除去等事業
大分市内の民間建築物に施工されている吹付けアスベスト(レベル1)について、次の対策工事が対象となります。
- 除去:吹付けアスベストを取り除く工事
- 封じ込め:吹付けアスベストが飛散しないように処理する工事
- 囲い込み:吹付けアスベストのある部分を板材等で覆い、飛散を防止する工事
除去等工事では、建築物石綿含有建材調査者が作業計画の策定等に関与する必要があります。また、施工は石綿作業主任者等の資格を有する専門業者に依頼する必要があります。
補助対象とならない建材に注意
本制度は、すべてのアスベスト含有建材を対象としているわけではありません。
例えば、成形板(ボード状の建材)や石綿含有仕上塗材は、除去等事業の補助対象にはなりません。
また、分析事業についても、補助対象となるのは吹付け材です。アスベストを含む可能性がある建材であっても、吹付け材以外は補助対象となりません。
補助対象となる建材の種類については、必ず事前に大分市住宅課へ確認してください。
5.申請期間・完了報告期限
令和8年度の募集期間は、次のとおりです。
| 項目 | 日程・内容 |
|---|---|
| 募集開始日 | 令和8年4月14日(火) |
| 申請締切日 | 令和8年12月18日(金) |
| 事業の完了報告 | 令和9年1月末までに完了報告できること |
| 申請・相談窓口 | 大分市役所 本庁舎6階 住宅課 |
本補助金は予算の範囲内で交付されるため、申請期間内であっても予算の状況によっては補助を受けられない場合があります。
また、除去等工事には専門業者による現地調査や見積書の作成などが必要です。工事完了後の実績報告にも期限があるため、早めの準備が重要となります。
6.主な申請書類
アスベスト除去等事業補助金の交付申請には、主に次の書類が必要です。
| 必要書類 | 内容 |
|---|---|
| 補助金交付申請書 | 大分市所定の様式第1号 |
| 算出内訳書 | 補助対象経費等の内訳 |
| 対象建築物の概要 | 建築物の基本情報 |
| 建築物の位置図・配置図 | 建築物の位置や配置を示す図面 |
| 確認済証・検査済証等 | 建築物の確認資料。建築計画概要書や課税明細書等の写しで代用できる場合があります。 |
| 施工箇所・施工面積等が分かる図面 | 吹付け材の種類、施工箇所、施工面積等を確認できる資料 |
| 現況写真 | 建物外観および吹付け材の施工箇所の写真 |
| 分析調査結果報告書 | 専門分析機関が発行した報告書等の写し |
| 工事見積書 | 除去等工事の費用を確認できる見積書 |
| 誓約書 | 大分市所定の書類 |
| 所有者等を確認できる書類 | 登記事項証明書、固定資産税課税明細書、名寄帳等 |
| 委任状 | 代理人に申請手続きを委任する場合 |
なお、分析事業については、除去等事業とは申請様式や必要書類が異なります。
また、建築物の状況によって追加書類を求められる場合があります。申請前に公式の必要書類一覧を確認してください。
7.補助金申請から交付までの流れ
アスベスト除去等事業の一般的な申請手続きは、次のとおりです。
- 事前相談:建築物の状況を確認し、大分市住宅課に相談します。
- 補助対象の確認:大分市による補助対象要件の確認を受けます。
- 専門業者への見積依頼:現地調査や工事見積りを依頼し、工事内容と費用を検討します。
- 補助金交付申請:申請書と必要書類を大分市へ提出します。
- 交付決定通知:大分市の審査を経て、交付決定通知を受け取ります。
- 工事契約・着手:交付決定後に専門業者と契約し、除去等工事を実施します。
- 実績報告:工事完了と費用の支払い後、実績報告書と必要書類を提出します。
- 補助金額の確定:大分市による審査を経て、補助金額の確定通知を受けます。
- 補助金の請求・受領:補助金請求書を提出し、所定の手続きを経て補助金が振り込まれます。
なお、実績報告時に補助金請求書を併せて提出することも可能とされています。
【重要】交付決定前の契約・着手に注意してください。
大分市のアスベスト除去等事業補助金では、必ず交付決定通知を受け取ってから工事業者と契約する必要があります。
交付決定前に工事契約や工事着手を行うと、補助金の交付を受けられなくなる場合があります。また、分析事業についても、補助金申請前に分析調査を実施したものは対象となりません。
8.申請時の注意事項
① 大分市住宅課への事前相談が必要
補助金の申請にあたっては、対象建築物や補助対象となる工事範囲等を確認するため、事前相談が必要です。
相談の際には、建築物の配置図、各階平面図、現況写真、除去等事業の場合は分析調査結果報告書などを準備してください。
② 専門資格を有する事業者への依頼が必要
アスベストの分析調査や除去等工事には専門的な知識と技術が必要です。
建築物石綿含有建材調査者、専門分析機関、石綿作業主任者等の資格を有する施工業者など、制度の要件を満たす専門家への依頼が必要です。
③ 他の補助金との重複受給に注意
同じ分析調査や除去等工事について、他の補助制度と重複して補助金を受け取ることはできません。
他の補助制度を利用している場合や、利用を検討している場合は、事前に大分市へ確認してください。
④ 実績報告には必要書類がある
除去等工事が完了した後には、実績報告書のほか、契約書、領収書、施工前・施工中・施工後の写真などが必要です。
また、建築物石綿含有建材調査者が工事に係る作業計画の策定等に関与したことを確認できる書類も必要となります。
関係法令に基づく届出が必要となる場合があるため、施工業者や関係専門家と事前に確認することが重要です。
⑤ 工事日程と完了報告期限に注意
補助金の交付申請後には、大分市の審査、交付決定、工事契約、施工、費用の支払い、実績報告などの手続きが必要となります。
令和9年1月末までに完了報告ができるよう、十分な余裕を持ったスケジュールで進める必要があります。
9.ミセイ行政書士事務所へご相談ください
大分市のアスベスト分析事業補助金・除去等事業補助金では、補助対象要件の確認、事前相談、交付申請、実績報告など、複数の行政手続きが必要となります。
特に、建築物の状況に応じて必要書類が異なることや、交付決定前の契約・着手に注意が必要なことなど、申請を進めるうえで確認すべき事項があります。
ミセイ行政書士事務所では、補助金申請に関するご相談、必要書類の確認、申請書類の作成・提出代理、実績報告等の行政手続きについて、業務範囲に応じてサポートいたします。
なお、アスベストの分析調査、技術的な作業計画の策定、除去等工事そのものは行っておりません。これらについては、専門資格を有する調査機関・施工業者等への依頼が必要です。
大分市内でアスベストの調査や除去等を検討されている建物所有者の方、補助金の申請手続きについてお困りの方は、お気軽にご相談ください。
10.大分市の公式情報
補助対象要件や申請方法、最新の受付状況については、大分市の公式ホームページをご確認ください。
大分市公式ホームページ
公式ページでは、補助金交付要綱、申請様式、パンフレット、申請手続きのフローなどが公開されています。
担当窓口:大分市土木建築部住宅課(本庁舎6階)
補助金に関する事前相談や受付状況については、大分市住宅課へ直接お問い合わせください。
※本記事は令和8年10月14日時点の大分市公表資料に基づいて作成しています。制度の詳細や受付状況は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず大分市の最新情報をご確認ください。



