国土交通省では、令和8年度の「内航海運船団輸送力向上事業費補助金」の申請を受け付けています。
本補助金は、内航海運における船員不足などを背景として、オペレーターが主体となり、複数の内航船オーナーや船舶管理業者と連携して、船団全体の輸送力向上を図る取組を支援する制度です。
船員の育成・能力向上のための教育訓練、訓練設備の導入、船員情報等を一元管理するシステム、配船計画支援システムなど、幅広い経費が補助対象となる可能性があります。
補助率は補助対象経費の2分の1以内、補助上限額は1事業あたり1,000万円です。
申請期限は令和8年8月31日(月)17時必着です。
申請期間が短いため、本補助金の活用を検討されている内航海運事業者の方は、早めに募集要項や申請要件を確認することをおすすめします。
内航海運船団輸送力向上事業費補助金の概要
| 補助金名 | 内航海運船団輸送力向上事業費補助金 |
|---|---|
| 実施機関 | 国土交通省 |
| 補助率 | 補助対象経費の1/2以内 |
| 補助上限額 | 1事業あたり1,000万円 |
| 公募期間 | 令和8年8月3日(月)~令和8年8月31日(月)17時必着 |
| 提出方法 | 電子メールによる電子申請 |
| 事業実施期限 | 令和9年3月まで |
補助金の目的
内航海運は、国内貨物輸送において重要な役割を担っています。一方で、船員の労働時間管理の厳格化や船員不足などにより、船員の配乗調整や船舶の効率的な運用が課題となっています。
また、船員の育成が個々の船主単位で行われることで、船員の技能水準や運用ルールにばらつきが生じたり、船舶の運航状況・船員の配置状況・資格や技能情報などが十分に共有されていなかったりすることも、柔軟な配船を難しくする要因となっています。
そこで本補助金では、オペレーターが中心となって複数の船主等と連携し、船員の技能向上、能力の均質化、船団内の情報共有、配船機能の高度化などを進める取組を支援します。
補助対象事業者
補助対象となるのは、原則として内航海運業法に規定する内航海運業者で、所定のガイドライン等を遵守している、または遵守する体制を有する事業者です。
重要なポイントとして、本補助金はオペレーター単独で完結する取組を対象とするものではありません。
オペレーターが主体となって企画し、複数のオーナー(船舶の貸渡しをする事業者)または船舶管理業者と連携して実施することが求められます。
オペレーターが代表事業者として補助金の交付申請を行い、それ以外の参加事業者は共同事業者となります。
補助対象となる取組
① 内航海運船団輸送力向上計画の策定
オペレーターが複数の船主または船舶管理業者と連携して、船団全体の輸送力向上に向けた「内航海運船団輸送力向上計画」を策定します。
計画には、参加事業者の名称のほか、船団全体の輸送力向上に向けた取組内容や数値目標を記載します。
数値目標としては、例えば次のような指標が想定されています。
- 船舶稼働率
- 船員1人あたりの輸送量
- 運航停止件数
事業内容に応じて、適切な指標を1つ以上設定する必要があります。
② 計画に基づく取組の実施
策定した「内航海運船団輸送力向上計画」に基づき、複数のオーナーまたは船舶管理業者にまたがる横断的な取組を実施します。
具体的には、次のような取組が想定されています。
- 船員の技能向上
- 船員の能力の均質化
- 船団内の情報共有
- 船員の資格・技能情報や配置状況等の一元管理
- 配船計画の高度化
- 船舶の運用効率向上
- 柔軟な配船体制の構築
補助対象経費
募集要項では、主な補助対象経費として次の経費が示されています。
| 区分 | 主な内容・例 |
|---|---|
| 人件費 | 計画策定や事業運営等に必要な事務作業を行う者の人件費など。ただし、本事業のみに従事することが確認できること等の条件があります。 |
| 謝金及び旅費 | 専門家等への謝金、専門家の招聘、訓練・研修、事業者間の調整・会議等に必要な移動交通費など |
| 外部委託費 | 輸送力向上効果の分析・検証、船員育成プログラムの設計、教育訓練の実施等を外部へ委託する経費など |
| 借料・損料及び使用料 | 会議室・研修施設等の使用料、シミュレーター機器や訓練設備等のリース料など |
| 教育訓練実施経費 | 講習・研修・訓練等の受講料、BRM訓練、ERM訓練、シミュレーター訓練、資格取得に係る講習費用など |
| 設備導入経費 | 操船シミュレーター、機関訓練装置、船員情報等の共有システム、配船計画支援システムなど |
| その他諸経費 | その他、本事業の実施に必要と認められる経費 |
補助対象とならない主な経費
実施要領では、次のような経費は補助対象に含まれないとされています。
- 補助対象事業以外にも使用される建物等の施設に関する経費
- 机・いす・複写機等の通常備えるべき設備・備品の購入費
- パソコン等の汎用品の購入費
- 事業実施中に発生した事故・災害の処理費用
- 補助対象事業とその他の事業との切り分けが明確にできない経費
審査で確認されるポイント
募集要項では、交付決定にあたって主に次の点が確認されます。
- 補助事業に係る計画が妥当であるか
- 複数事業者にまたがる横断的な取組となっているか
- 船団全体の輸送力向上効果が高い取組であるか
- 先進性・波及可能性・持続可能性を有しているか
- 事業の実施体制が妥当であるか
- オペレーターが主体的に関与しているか
したがって、単に「研修を実施したい」「システムを導入したい」というだけではなく、その取組によって船団全体の輸送力がどのように向上するのかを具体的に説明することが重要になります。
申請方法と申請期限
申請は電子メールによる電子申請のみとなっています。
| 申請期限 | 令和8年8月31日(月)17時必着 |
|---|---|
| 提出書類 | 様式第1 補助金交付申請書、様式第1別添資料 補助対象事業実施計画書 |
| 提出方法 | 電子メール |
なお、募集要項には、今回の応募期間終了後についても「予算の範囲内において順次募集開始予定」との記載があります。
申請時に注意したいポイント
複数事業者の連携が前提です
本補助金では、オペレーターが主体となり、複数のオーナー等と連携した横断的な取組であることが重要です。
単一の船舶や単一のオーナー等だけを対象とした取組では、制度の趣旨に合致しない可能性があります。
数値目標の設定が必要です
「内航海運船団輸送力向上計画」では、船舶稼働率や船員1人あたり輸送量、運航停止件数など、可能な限り定量的に測定できる目標を設定することが求められています。
他の補助事業との重複に注意
他の公募事業等ですでに実施している事業や、応募時点で支援が決定している事業と内容が類似している場合、本補助金へ応募できない場合があります。
事業終了後にも報告が必要です
補助事業完了後には実績報告が必要です。また、事業終了後3年間は、毎年度、事業状況報告書を提出することが求められています。
補助金申請についてお困りの方へ
本補助金では、「内航海運船団輸送力向上計画」を策定し、参加事業者、具体的な取組内容、数値目標、事業の効果、実施体制などを整理したうえで申請する必要があります。
特に、複数の内航海運事業者等が連携する事業であるため、事業全体の内容を整理し、補助金の目的や審査基準に沿って申請書類へ落とし込むことが重要です。
ミセイ行政書士事務所では、補助金申請に関するご相談を承っております。
また、当事務所は行政書士・海事代理士の両資格を活かし、海事分野に関する各種手続についても対応しております。
国土交通省の公式情報
制度の詳細、最新情報、募集要項及び申請様式については、国土交通省の公式ページをご確認ください。
国土交通省「内航海運船団輸送力向上事業費補助金」公式ページはこちら
※本記事は、国土交通省が公表している募集要項、交付要綱、実施要領等をもとに作成しています。制度内容は変更される場合がありますので、申請にあたっては必ず最新の公式情報をご確認ください。

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