2026年11月2日、独立行政法人中小企業基盤整備機構による「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第2回)」の公募が開始されました。
本補助金は、中小企業等による革新的な新製品・新サービスの開発、新市場への進出、海外市場開拓に向けた国内の輸出体制強化などを支援する国の補助金制度です。
補助上限額は通常最大7,000万円、賃上げ特例適用時には最大9,000万円となります。
【第2回公募の重要ポイント】
・公募開始:2026年11月2日(月)
・申請受付開始:2026年11月30日(月)15時
・申請締切:2026年12月25日(金)15時厳守
・補助率:原則1/2または2/3
・補助上限額:最大9,000万円(特例適用時)
・申請方法:電子申請のみ
大分県内の中小企業・小規模事業者・個人事業主の皆様にも関係する制度です。今回は、第2回公募要領に基づき、補助対象となる事業、補助金額、申請要件、申請時の注意点などをご紹介します。
1.新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは
本補助金は、中小企業等が行う設備投資等を通じて、企業規模の拡大、付加価値の向上、生産性の向上、賃上げにつなげることを目的としています。
補助対象事業枠は、次の3つです。
- 革新的新製品・サービス枠:革新的な新製品・新サービスの開発
- 新事業進出枠:既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出
- グローバル枠:海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制強化
なお、「中小企業新事業進出補助金」や、従来の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」とは異なる制度です。
2.第2回公募の募集期間
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募開始 | 2026年11月2日(月)16時 |
| 申請受付開始 | 2026年11月30日(月)15時 |
| 申請締切 | 2026年12月25日(金)15時 |
| 採択発表 | 2027年3月頃(予定) |
申請締切は15時です。申請が集中する可能性があるため、余裕を持った準備が必要です。
3.補助金額・補助率・3つの申請枠
① 革新的新製品・サービス枠
自社の技術力等を活用した革新的な新製品・新サービスの開発を支援する枠です。
単なる機械設備の導入や、既存製品の製造工程の改善だけでは対象になりません。
| 従業員数 | 通常上限 | 賃上げ特例 |
|---|---|---|
| 1~5人 | 750万円 | 850万円 |
| 6~20人 | 1,000万円 | 1,250万円 |
| 21~50人 | 1,500万円 | 2,500万円 |
| 51人以上 | 2,500万円 | 3,500万円 |
補助率:中小企業者1/2、小規模企業・小規模事業者及び再生事業者2/3。地域別最低賃金引上げ特例による補助率引上げ措置もあります。
補助下限額:100万円
② 新事業進出枠
既存事業とは異なる、新しい製品・サービスと新しい市場への進出を支援する枠です。
新規性とは、日本初・世界初という意味ではなく、申請事業者自身にとっての新規性を指します。ただし、既存商品を単に別地域で販売するだけの場合などは対象になりません。
③ グローバル枠
自社製品等による新たな海外市場の開拓に向け、国内の製造拠点等を強化する取組を支援します。
新事業進出枠とグローバル枠の補助上限額は、次のとおりです。
| 従業員数 | 通常上限 | 賃上げ特例 |
|---|---|---|
| 1~20人 | 2,500万円 | 3,000万円 |
| 21~50人 | 4,000万円 | 5,000万円 |
| 51~100人 | 5,500万円 | 7,000万円 |
| 101人以上 | 7,000万円 | 9,000万円 |
補助下限額:750万円
新事業進出枠の補助率:原則1/2。地域別最低賃金引上げ特例の適用時は2/3。
グローバル枠の補助率:2/3。
賃上げ特例による上限額引上げには、通常の申請要件に加えて一定の賃上げ要件を満たす必要があります。
4.補助対象となる事業者
主な補助対象者は、日本国内に本社及び補助事業実施場所を有する、中小企業者や一定の要件を満たす事業者です。
株式会社などの法人だけでなく、要件を満たす個人事業主も対象になり得ます。
業種別に資本金・従業員数の基準が設けられており、みなし大企業や公募要領で除外される事業者などは対象になりません。
なお、新事業進出枠については、事業者の事業実績などに関する制限にも注意が必要です。
5.主な申請要件
補助事業終了後3~5年の事業計画を策定し、主に次の要件を満たす必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 付加価値額要件 | 付加価値額の年平均成長率4.0%以上 |
| 賃上げ要件 | 従業員1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上 |
| 事業場内最低賃金 | 地域別最低賃金より30円以上高い水準を毎年維持 |
| ワークライフバランス | 一般事業主行動計画の策定・公表 |
| 子育て等の職場環境整備 | 指定された取組から1つを選択して実施(所定の認定事業者は免除) |
| 金融機関要件 | 金融機関から資金提供を受ける場合は金融機関による確認が必要 |
賃上げ要件や事業場内最低賃金の要件を達成できなかった場合は、補助金の一部又は全額の返還が必要となることがあります。
なお、地域別最低賃金引上げ特例を適用する場合などには、基本要件の一部について取扱いが異なります。
6.補助対象となる主な経費
補助対象経費は申請枠によって異なりますが、主なものは次のとおりです。
| 経費区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 機械装置・システム構築費 | 補助事業専用の機械設備、専用システムの導入等 |
| 建物費 | 補助事業用建物の建設・改修等(新事業進出枠・グローバル枠のみ) |
| 運搬費 | 補助事業に必要な運搬料等 |
| 技術導入費 | 必要な知的財産権等の導入費 |
| 知的財産権等関連経費 | 開発成果に係る特許権等の取得関連費 |
| 外注費 | 検査・加工・設計等の一部外注費 |
| 専門家経費 | 必要不可欠な技術指導・助言等 |
| クラウドサービス利用費 | 補助事業専用のクラウドサービス利用費 |
| 原材料費 | 設備を利用した試作品開発の原材料等 |
| 広告宣伝・販売促進費 | 新製品・サービスのPR、広告、展示会等 |
| 海外旅費・通訳翻訳費 | グローバル枠に限り、所定の範囲で対象 |
革新的新製品・サービス枠では機械装置・システム構築費が必須です。新事業進出枠及びグローバル枠では、機械装置・システム構築費又は建物費のいずれかが必要です。
既存設備の単なる置き換え、汎用パソコン、一般的な自社の人件費、既存事業との共用経費などは原則として対象外です。経費区分ごとに別途上限や条件があります。
7.申請に必要な主な準備
電子申請の前に、主に以下の準備が必要です。
- GビズIDプライムアカウントの取得
- 3~5年の事業計画の検討・策定
- 直近の決算書等の準備
- 労働者名簿の準備
- 確定申告関係書類の準備
- 一般事業主行動計画の策定・公表
- 資金調達計画の確認
- 金融機関から資金提供を受ける場合の確認書
- 特例・加点を申請する場合の追加資料
GビズIDプライムアカウントの発行には1週間程度、一般事業主行動計画の公表には1~2週間程度を要するとされています。
必要書類は事業者の状況や申請する枠によって異なるため、第2回公募要領及び公式サイトの最新資料を確認する必要があります。
8.外部専門家による支援と申請上の注意点
今回の公募では、事業計画の作成や電子申請に関するルールが定められています。
【外部支援者の活用について】
公募要領では、外部専門家から事業計画の検討やブラッシュアップに関する助言を受けることは認められています。一方、事業計画そのものは申請者自身が作成し、電子申請も申請者自身が行う必要があります。
外部支援者による事業計画書の作成代行や、申請者本人によらない電子申請が判明した場合、不採択・採択取消・交付決定取消となる場合があります。
また、外部支援者を利用した場合は、支援者名、支援内容、報酬予定額、契約期間等を電子申請システムに入力する必要があります。
GビズID及びパスワードを外部支援者等へ開示することも、利用規約上認められていません。
外部専門家による支援を受ける場合は、公募要領で認められた範囲を確認し、支援内容と報酬を明確にすることが重要です。なお、事業計画書の作成支援者に対する費用は、本補助金の専門家経費の対象外です。
9.採択後の手続きと注意事項
補助金の申請から受給までは、概ね次の流れとなります。
- 事業計画の策定・電子申請
- 審査・補助金交付候補者の採択
- 交付申請
- 交付決定
- 補助事業の実施
- 実績報告・確定検査
- 補助金の請求・支払
- 事業化状況報告等
採択された時点で、補助金の交付が確定するわけではありません。交付申請時に経費の審査が行われ、減額又は対象外となる場合があります。
また、交付決定前の発注・契約等に係る経費は補助対象になりません。
事業計画における賃上げ等の目標達成、取得財産の適切な管理、補助事業終了後の報告にも注意が必要です。
10.ミセイ行政書士事務所へのご相談
ミセイ行政書士事務所では、大分県内の中小企業・小規模事業者・個人事業主の皆様から、各種補助金に関するご相談を承っております。
本補助金については、公募要領に従い、次のようなご相談・助言に対応いたします。
- 公募要領の内容や申請要件の確認
- 補助対象事業・補助対象経費の整理に関する助言
- 事業者自身が作成する事業計画の検討・ブラッシュアップに関する助言
- 申請時に必要となる資料や準備事項の確認
- 採択後の手続きや実績報告に関する一般的なご相談
なお、本補助金の事業計画書の作成及び電子申請は申請者ご自身が行う必要があります。当事務所では、公募要領で認められた範囲の支援をご案内いたします。
11.公式情報・関連ページ
【公式情報】
【関連ページ】
※本記事は2026年11月7日時点の第2回公募要領(1.0版)に基づいて作成しています。公募要領の改訂、申請システム及び詳細な条件については、必ず公式ホームページで最新情報をご確認ください。
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