情報確認日:2026年10月29日
国土交通省では、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる住まいの整備を促進するため、「令和8年度サービス付き高齢者向け住宅整備事業」を実施しています。
本事業は、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の新築や改修、既に運営している住宅の改修などに必要な費用の一部を国が補助する制度です。
令和8年度は補助率や補助限度額が見直され、住宅部分について、新築は1戸当たり150万円、改修は1戸当たり234万円を基本の補助上限額としています。一定の省エネルギー性能等を満たす場合には、別途加算が設けられています。
また、令和8年度の交付申請要領には、行政書士法に関する記載があり、行政書士による有償の申請書類作成に関わる重要な注意事項が示されています。
この記事では、補助金の対象事業、補助率・補助上限額、主な申請要件、募集状況、行政書士が対応できる手続きについて詳しく解説します。
【重要】令和8年度の新規事業登録は2026年9月25日をもって終了しました。既に事業登録を済ませている案件の交付申請期限は、2026年12月11日(金)です。新規事業登録を行っていない案件については、令和8年度の補助金を新たに申請することはできません。
1.サービス付き高齢者向け住宅整備事業とは
サービス付き高齢者向け住宅整備事業は、高齢者の居住の安定確保を目的として、バリアフリー構造等を備えた住宅や、高齢者向けの生活支援サービスを提供する住宅の整備を支援する国の補助金制度です。
サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づき登録される住宅で、安否確認や生活相談などのサービスが提供される住まいです。
本事業では、新築住宅だけでなく、既存の建物をサービス付き高齢者向け住宅へ改修する事業や、既に運営しているサービス付き高齢者向け住宅の改修についても、一定の条件の下で補助対象となります。
2.補助対象となる事業・事業者
本補助金は、サービス付き高齢者向け住宅を整備する民間事業者等を対象としています。主な対象事業は次のとおりです。
| 事業区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 新築事業 | サービス付き高齢者向け住宅を新たに建設する事業 |
| 改修を含む事業 | 既存の住宅や建物を改修し、サービス付き高齢者向け住宅を整備する事業 |
| 既設改修事業 | 既に運営しているサービス付き高齢者向け住宅の設備や建物を改修する事業 |
対象となる住宅は、サービス付き高齢者向け住宅としての登録や、所定の補助要件への適合が必要です。交付申請者の要件や申請方法は、事業区分によって異なります。
3.補助率・補助上限額
令和8年度の主な補助率と住宅部分の補助上限額は、次のとおりです。
| 事業区分 | 補助率 | 主な補助上限額 |
|---|---|---|
| 新築 | 1/3 | 150万円/戸 |
| 改修 | 1/3 | 234万円/戸 |
| 既設改修 | 1/3 | 12万円/戸等(改修内容により異なる) |
新築・改修については、1戸当たり20㎡に相当する事業費を除いた費用が補助対象となります。また、補助金額は実際の補助対象経費や整備内容によって算定されるため、必ず上限額まで交付されるわけではありません。
省エネルギー性能等による上限額の加算
一定の要件を満たす場合には、住宅部分の基本上限額に加算が認められます。
| 加算の対象 | 新築 | 改修 |
|---|---|---|
| ZEH相当水準の整備 | 30万円/戸 | 46万円/戸 |
| 車椅子使用者に必要な空間を確保した便所・浴室等の整備 | 12万円/戸 | 12万円/戸 |
このほか、要件に適合する高齢者生活支援施設や再生可能エネルギー設備等に対する補助メニューも設けられています。詳細は交付申請要領をご確認ください。
4.主な補助要件
本補助金を利用するためには、住宅の登録、設備、運営、立地条件などについて複数の要件を満たす必要があります。主な要件は次のとおりです。
| 項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 住宅登録 | サービス付き高齢者向け住宅として登録されていること |
| 運営期間 | 10年以上、登録・運営を継続すること |
| 住戸面積 | 新築については原則25㎡以上 |
| 設備 | 台所、洗面、収納、浴室等について所定の要件を満たすこと |
| 家賃 | 所定の家賃限度額を超えず、近傍同種の住宅の家賃と均衡していること |
| 介護サービス | 入居者が任意の事業者による介護サービスを選択できること |
| 地域との整合 | 新築・改修では都道府県及び市区町村のまちづくり方針と整合していること |
| 災害リスク | 土砂災害特別警戒区域等の立地制限に該当しないことなど |
上記以外にも、資金調達、入居者へのサービス提供、運営情報の公開等に関する要件があります。申請前に交付申請要領の各要件を確認することが重要です。
5.令和8年度の主な変更点
令和8年度は、前年度から補助内容や住宅の要件が見直されています。
(1)家賃限度額の見直し
家賃限度額は、住戸面積と市町村の立地係数を用いて算定する方式に変更されています。予定家賃が限度額を超えないことを確認する必要があります。
(2)住宅の質を高めるための要件の追加
新築では住戸面積25㎡以上などが求められています。また、新築・改修では、入居者の健康維持やフレイル予防等の取組を月1回以上実施し、地域住民との交流を促進する取組を月1回以上実施することなどが要件に加わりました。
(3)補助率・補助限度額の変更
新築・改修の補助率は、補助対象事業費の3分の1となり、基本となる補助上限額も見直されています。
(4)災害リスクへの対応強化
土砂災害特別警戒区域、浸水被害防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、地すべり防止区域等に関する立地制限が強化されています。建設予定地が補助対象となるか、事前に確認する必要があります。
なお、令和7年度までに設計に着手した案件については、一部の要件や補助内容に経過措置があります。該当する場合は、経過措置対象事業向けの交付申請要領をご確認ください。
6.募集期間・申請期限
令和8年度の募集期間と事業登録の状況は次のとおりです。
| 項目 | 日程・状況 |
|---|---|
| 募集開始 | 2026年4月17日(金) |
| 事業登録期限 | 2026年9月25日(金)終了 |
| 交付申請期限 | 2026年12月11日(金)消印有効 |
| 新規事業登録 | 受付終了 |
整備事業事務局は、2026年9月28日付で令和8年度の事業登録終了を公表しています。
本補助金では、交付申請に先立って事業登録を行う必要があります。そのため、現在は新規の事業登録を行うことができず、既に事業登録を済ませている案件が、必要な事前審査や住宅登録等を経て交付申請を進めることになります。
事前審査の受付を済ませている場合でも、2026年12月11日(金)までに交付申請(本申請)を完了する必要があります。
次年度以降の募集については、国土交通省及び整備事業事務局からの正式な案内をご確認ください。
7.申請手続きと主な必要書類
新築・改修を含む事業では、事業登録、事前審査、サービス付き高齢者向け住宅としての登録、交付申請等の手続きを進めます。事業区分や案件の状況に応じて手続きの順序や提出資料が異なります。
交付申請に必要となる主な書類には、次のようなものがあります。
- 補助金交付申請書
- 住宅の登録内容及び事業計画に関する書類
- 事業費及び補助要望額に関する書類
- 補助要件への適合を確認する書類
- 近傍同種家賃との均衡を確認する書類
- 申請者から事務担当者への委任状
- サービス付き高齢者向け住宅の登録通知書の写し
- 建物の配置図、平面図、用途別求積図、工事費内訳書等
- 資金調達に関する資料や自治体への意見聴取に関する資料
これらは主な例であり、実際の提出書類は事業内容により異なります。設計図書や建築技術に関する資料については、建築士等の専門家との連携が必要となる場合があります。
また、補助対象事業は原則として交付決定を受けた後に着手する必要があります。交付決定前の工事着工や契約締結等が補助対象外となる場合があるため、事前確認が重要です。
8.交付申請要領に「行政書士」が明記されています
令和8年度サービス付き高齢者向け住宅整備事業の交付申請要領では、行政書士法に関する重要な注意事項が記載されています。
具体的には、交付申請要領49ページ(PDFの50ページ目)の「申請に係る事務担当者について」に、令和8年1月1日施行の改正行政書士法に関する記載があります。
その内容は、行政書士又は行政書士法人でない者が、他人の依頼を受け、報酬を得て、官公署(整備事業事務局を含む)に提出する書類を作成することについて、行政書士法第19条第1項との関係で注意を促すものです。
この記載は、本補助金の申請書類作成を外部の専門家に有償で依頼する際に、行政書士の業務範囲を確認するうえで重要なものです。
さらに、同じ箇所には、申請事務を代行する方1名を事務担当者として選定し、申請者から委任することが記載されています。
事務担当者の立場や所属に制限はありませんが、申請書類の有償作成については行政書士法その他の関係法令を守る必要があります。事務担当者に選任されたことだけで、資格の必要な書類作成業務まで認められるわけではありません。
したがって、本補助金は、行政書士が申請者から依頼を受け、行政書士法上対応可能な交付申請書類の作成等を支援できる制度です。
ただし、建築設計、構造計算、建築士の資格が必要な図書の作成等については、建築士等の専門家が担当する必要があります。また、他の法律により業務が認められている場合など、法令上の例外にも留意する必要があります。
このように、サービス付き高齢者向け住宅整備事業は、行政書士と建築士等が連携して支援することが考えられる補助金制度です。
参考資料:令和8年度サービス付き高齢者向け住宅整備事業 交付申請要領(PDF)はこちら
9.申請にあたっての注意点
(1)事業登録と交付申請は別の手続きです
交付申請の前に事業登録が必要です。令和8年度の新規事業登録は既に終了しているため、事業登録済みであるか確認してください。
(2)住宅登録や自治体との調整が必要です
サービス付き高齢者向け住宅としての登録に加え、新築・改修では都道府県や市区町村への意見聴取等の手続きが必要です。自治体から住宅供給に反対する意見が示された場合は、原則として補助金を受けられません。
(3)交付決定前の事業着手に注意してください
交付決定前に補助対象事業へ着手すると、補助金が交付されない場合があります。工事や契約の予定がある場合は、着手時期を必ず確認してください。
(4)補助金受給後も継続的な管理が必要です
補助金を受けた住宅は、原則として10年以上、サービス付き高齢者向け住宅として登録・運営する必要があります。登録の更新、運営情報の公開、補助対象財産の管理等にも注意が必要です。
10.よくある質問(FAQ)
Q1.既存の建物をサービス付き高齢者向け住宅に改修する場合も補助対象ですか?
A.はい。既存建物を活用する改修事業も、所定の要件を満たせば補助対象となります。ただし、建物の耐震性能、築年数、改修内容、住宅登録等の条件を確認する必要があります。
Q2.令和8年度の補助金に今から新規申請できますか?
A.新規事業登録は2026年9月25日で終了しています。既に事業登録を済ませた案件については、所定の要件を満たし、2026年12月11日までに交付申請を行う必要があります。
Q3.行政書士に申請書類の作成を依頼できますか?
A.はい。行政書士法上対応可能な交付申請書類の作成等を依頼できます。ただし、建築設計や建築技術的な図書の作成等については、建築士等の専門家との連携が必要になる場合があります。
Q4.大分県内の事業者でも利用できますか?
A.はい。国が実施する制度であり、大分県内の事業者も、住宅の立地や事業内容等の補助要件を満たせば対象となり得ます。ただし、令和8年度の新規事業登録は終了しています。
Q5.補助金の申請後も行政書士に相談できますか?
A.はい。交付決定後の変更手続き、完了実績報告等についても、行政書士法上対応可能な書類作成や手続きの支援をご相談いただけます。
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補助金は制度によって対象者、補助対象経費、申請方法、募集期間等が異なります。詳細については、必ず各制度の最新の公募資料をご確認ください。
12.補助金申請のご相談はミセイ行政書士事務所へ
ミセイ行政書士事務所では、大分県大分市を拠点に、国や自治体の補助金に関するご相談、申請書類の作成、交付申請、実績報告等の支援を行っています。
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住宅の新築・改修に関する補助金申請では、建築士や施工事業者等との連携が必要となる場合があります。当事務所では、申請内容を確認しながら、行政書士として対応できる手続きを支援いたします。
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代表:特定行政書士・海事代理士 御姓 啓二
所在地:大分県大分市
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※本記事は2026年10月29日時点の国土交通省及びサービス付き高齢者向け住宅整備事業事務局の公式情報、令和8年度交付申請要領を基に作成しています。制度内容や受付状況は変更される場合がありますので、必ず最新の公式情報をご確認ください。
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