補助金申請業務は行政書士の独占業務になるのか?

― 行政書士法改正により業務制限規定が明確化されました ―

令和7年6月に成立した「行政書士法の一部を改正する法律」では、行政書士制度に関わる重要な点がいくつか見直されました。
その中でも特に注目されているのが、「業務制限規定の趣旨の明確化」です。

これまで、行政書士や行政書士法人でない者が、報酬を得て行政書士業務を行うことは禁止されていましたが、今回の法改正では、この点がより明確にされました。具体的には、

「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」業務を行うことを禁止する

という文言が追加されたのです。
これはつまり、「会費」「指導料」「サポート費用」などといった報酬以外の名目を使っても、実質的に行政書士業務を行っていれば違法であるという趣旨を、明確に法律上に位置づけたことになります。


補助金申請業務は行政書士でなければできないのか?

では、この改正により「補助金申請業務」は行政書士の独占業務となるのでしょうか?

結論から申し上げると、補助金申請が明示的に行政書士の「法定独占業務」とされたわけではありません。
しかし、行政書士法の適用上、以下のような場合には行政書士資格が必要になります。

行政書士資格が必要なケース

  • 官公署(経済産業省、自治体など)に提出する補助金交付申請書や計画書等を業として作成し、報酬を得る
  • 補助金申請書の作成を請け負い、実質的な代行を行う
  • 電子申請を含めた提出代行を含む業務

行政書士資格が不要なケース

  • 申請要件の説明や制度案内などの助言・相談のみを行う
  • 商工会や公的支援機関が無償でアドバイスを行う
  • 申請者本人が書類を作成し、アドバイザーが補助的に関わる場合

無資格業者の「抜け道」は今後通用しません

これまで、行政書士資格を持たないコンサル業者等が、
「うちは会費制だから大丈夫」
「コンサル料であって申請書の報酬ではない」
などといった形式上の名目で実質的な書類作成を行っていたケースが見られました。

今回の改正では、「いかなる名目によるかを問わず」と明記されたことにより、
こうした抜け道的行為が明確に違法とされました。

これは、法制度の健全性を守り、国民・事業者の利益を確保する意味でも大きな一歩です。
今後、補助金申請業務を業として行うには、正規の資格を持つ行政書士であることが、より強く求められる時代になります。


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2025年6月9日
特定行政書士 御姓啓二

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