令和7年度大分県ドローン協議会総会

本日、2025年6月25日、レンブラントホテル大分で令和7年度大分県ドローン協議会総会が開催されました。
1.開会 主催者村井雄司挨拶
     来賓佐藤樹一郎知事挨拶
 大分県ドローン協議会の村井裕二会長による主催者挨拶と、佐藤一郎大分県知事による来賓挨拶の二部構成。村井会長は、過去9年間の協議会の会員数増加と、研究開発事業や文化会活動(観光・防災・展示会出展・インフラ点検等)における具体的な成果を強調し、ドローン技術の社会実装への貢献を述べました。
佐藤知事は、ドローンが農業、建設、物流、災害対応など多岐にわたる分野で既に実用段階にあることを指摘し、特に災害協定に基づく迅速な対応や、空飛ぶ車(エアモビリティ)の実証実験と未来への展望に言及しました。両者は、大分県におけるドローン産業のさらなる発展と、それを通じた地域活性化への期待を共有しています。

2.基調講演
講演Ⅰ「災害対応とドローン産業の共創~安全運用から新たな市場創出へ~」
  講師(一社)日本UAS産業振興協議会(JUIDA理事長 鈴木 真二 氏
 この講演では、ドローン技術の第一人者である鈴木真二氏が、能登半島地震におけるドローンの災害対応での活用事例と、それを通じて見えてきたドローン産業の課題、そして今後の展望について詳しく解説しています。ドローンが瓦礫の調査、医薬品輸送、海岸線の測量、そして自然ダムの点検といった多様な場面で活躍したことが具体的に示され、災害時におけるドローンの有効性が強調されました。一方で、早期出動のための体制構築、有識者との連携、通信手段の確保、そして法解釈の明確といった課題も浮き彫りになり、これらに対処するための政府のガイドラインや、リスク評価、サービス品質認証といった取り組みが紹介されています。さらに、ドローン産業の健全な発展には、社会的な受容性の向上や、AIを活用した審査の迅速化、サプライチェーンの強化が不可欠であると述べられ、日米両国における動向にも触れながら、平時からの訓練と官民連携の重要性が繰り返し強調されています。

講演Ⅱ「空の移動革命への挑戦~日常的に空を活用する未来を目指して~」
    講師 株式会社SkyDrive CBO 村井 宏行 氏
 この講演は、SkyDrive社のCBOである村井弘行氏によるもので、同社が推進する「空飛ぶクルマ」とドローン事業について詳細に解説しています。村井氏は、ソニーやリクルートなどでのグローバルな事業開発経験を経て、現在SkyDriveで次世代モビリティの社会実装をリードしています。講演では、同社が目指す「100年に一度のモビリティ革命」として、電動でCO2排出ゼロ、低騒音、省スペースでの離着陸が可能な「空飛ぶクルマ」の利点が強調されました。また、短期的には遊覧飛行から、将来的には都市間の移動手段としての普及を目指し、2028年頃の大分県でのサービス開始を含む具体的なロードマップが示されています。
 さらに、SkyDriveは重量物輸送や災害支援で活用される物流ドローン、およびドローンショーといった事業も展開しており、これらは「空に慣れ親しむ」ための接続点として位置づけられています。講演中には、大阪万博でのデモ飛行や、鈴木との製造提携、国内外でのプレオーダー状況など、具体的な取り組みも紹介されました。質疑応答では、充電時間への工夫や、地域社会が空飛ぶクルマの普及に向けてできることについて議論が交わされ、聴衆の期待と関心の高さが伺えました。

3.活動報告
報告Ⅰ「観光・教育・エンタメ分科会」および「展示会出展分科会」について
   発表者 株式会社オーイーシー 上席執行役員 野﨑 浩司 氏
 株式会社OEC執行役員の野崎浩司氏による活動報告は、ドローン協議会の二つの主要な分科会、光教育エンタメ分科会展示会出展分科会の昨年度の取り組みに焦点を当てています。観光教育エンタメ分科会では、ドローンの社会実装を目的として、大分県立美術館での「エンジョイ ドローン フェスタ」やJDスタジアムでのドローンサッカー体験会、農業文化公園でのドローンフェスティバルといった地域住民向けのイベント開催を通じて、ドローンの普及啓発と科学技術への興味促進を図りました。一方、展示会出展分科会は、ジャパン・ドローンへの共同出展を主軸とし、企業の開発機体や サービスを広く紹介することで、販路拡大と企業認知度向上に貢献しました。これらの活動は、ドローンの多岐にわたる可能性を追求し、社会貢献と産業発展の両面からドローン技術の普及を目指すものです。

報告Ⅱ「防災・減災分科会」について
   発表者 株式会社ザイナス 常務取締役 山本 竜伸 氏
 この報告では、株式会社ザイナス上部取締役の山本氏が、大分県のドローンを活用した防災活動について説明しています。特に、「防災原文化会」という組織が、災害時のドローンによる緊急調査を効率的かつ標準化された形で実施するための取り組みが中心です。この文化会は、大分県が締結したドローンによる緊急災害調査に関する協定に基づいて活動しており、災害発生時にドローンを活用して迅速に情報を収集し、県に提供するスキームを構築しています。活動には、安全な飛行マニュアルの作成や、実地訓練、過去の災害事例からの学びの共有が含まれ、令和6年度には台風15号・16号の際に実際にドローンが出動し、被害状況の迅速な把握に貢献した事例も紹介されました。

4.議決・報告事項
 大分県ドローン協議会の総会における議事録。会議は、2つの議題と報告事項を中心に進行し、まず令和6年度の事業報告と収支決算が承認されました。これには、人材育成、技術・製品開発支援、情報提供・連携、および各種分科会活動の実績が含まれ、特に災害時のドローン活用における協力体制が強調されています。次に、組織変更に伴う規約の一部改正と、役員の辞任に伴う新役員の選任が承認されました。最後に、令和7年度の事業計画と収支予算が承認され、文化会活動の活性化、研究開発支援、災害時協力の継続が主な柱として提示されました。また、報告事項として企画委員の再任についても触れられています。

この後レンブラントホテル地下で交流会がありました。
様々な皆様と名刺交換・意見交換を行い、大変有意義な時間でした。

大分県ドローン協議会、令和7年度もよろしくお願いいたします。

2025年6月25日
特定行政書士 御姓啓二

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